せっかく高いお金で買った車ですから、売る際は「できるだけ高く買い取ってもらいたい!」と考えるはずです。
そこで押さえておいてほしいのが、交渉のやり方です。
相手もいわば営業マンですから、こちらも上手に受け答えしないと、査定額が数万〜数十万円も下がってしまうケースがあります。
ですから、査定や交渉の際、どのように対応するべきか心得ておくことが肝心です。
とはいっても、あまり難しく考える必要はありません。営業マンとのやり取りで気をつけておくべきポイントは、次の6つです。
- 自分から希望額を言わない
- 良い点を積極的にアピールする
- 車の売却先を即決しない
- 「折り合いがつけば、すぐに売る」という意思を伝える
- 「売る気はないけど、査定はしてもらいたい」はNG
- 他社の買取価格を引き合いに交渉を進める(最重要!)
これらのポイントを意識しておけば、買取価格の最高額を引き出せます。
なお、買取店との交渉をできるだけ有利に進めるには、
- 複数社から査定を受ける
- 各社の条件を引き合いに交渉を進める
この2点が非常に重要になります。
このページでは、買取店との交渉のポイントを押さえつつ、車を最高額で買い取ってもらうためのコツを紹介します。
この内容を知っておくだけで数十万円の差が生じることもあるので、ぜひ参考にしてください。
車を高く売るには交渉がカギになる理由
まずは、車を売るときになぜ価格交渉するべきか、その理由について簡単に説明します。
買取店の査定士も、いわば営業マンのようなもの。
お店の利益を増やすために、あなたの車をできるだけ安く買い取ろうとするわけです。
たとえば、ブックオフなどでCDや本を売ったとき、
「買取価格は80円です」
{えっ?安っ!」
なんて経験はありませんか。
基本的に、買取業者というのは安く買い取りたいと考えるのが普通です。
これは車買取店でも同じこと。本来であれば100万円程度の価値があっても、「がんばって80万円ですね」なんて言って安く買い取っていくのは、買取店の常套(じょうとう)手段です。
あまり気持ちのいいことではありませんが、これが事実。
だからそこ、営業トークに言いくるめられないよう、受け答えや交渉のやり方をきちんと知っておくことが重要になるのです。
他社と比較して、交渉を有利に進めるべし!
前述のとおり、交渉を最も有利に進めるには、他社を引き合いに出すことです。
なぜなら、あなたが複数社を比較すれば、買取店も下手に安い金額を提示できなくなるからです。
たとえば、
- A社は80万円
- B社は100万円
を提示してきたとします。
当然、あなたは「査定額が高いB社」に車を売るはずです。
A社のように他社よりも安い金額を提示すれば、車を買い取ることができません。
ですから、車を安く買い叩かれないようにするには、複数社を比較することが欠かせません。
このことを前提に、車を売るときの交渉のポイントについて以下で解説していきます。
1.車をいくらで売りたいのか、自分から希望額を言わない
査定の際に、買取店のスタッフから「希望額はいくらですか?」と聞かれることがよくあります。
このときに希望額を言わないように注意してください。
なぜなら、あなたが「その車の価値より低い希望額」を提示してしまう恐れがあるからです。
あなたの希望額が相場より安かった場合、買取店は喜んでその希望額で買い取るでしょう。
ですから、このことを避けるためには、安易に希望額を言ってはいけません。
また買取店の常とう手段として、まずは「相場より安い金額」を提示してきます。
そうしておけば、「もっと高く買い取ってほしい」と粘られたときに引き上げるだけの余力を残しておけるからです。
したがって、もし希望額を聞かれた場合は、反対に「いくらまで出せますか?」と切り返すのが得策です。
そうして各社から最高額を聞き出し、比較したうえで交渉するのがベストです。
2.売りたい車の良い点を積極的にアピールする
査定の際に、車のアピールポイントを積極的に伝えることで、査定額がアップする可能性があります。
たとえば、「整備手帳に書かれてある整備履歴」「洗車やワックスがけの頻度」「エアロパーツやホイール」などです。車への愛情が伝わる情報であれば、すべて伝えましょう。
きちんとメンテナンスや整備がされた車というのは、そうでない車と比べて明らかに状態が良いです。
当然、再販するまでの整備コストなどが抑えられるため、その分、評価が高くなるはずです。
また、たとえ社外品パーツなどを付けていても、それが人気のあるものであれば、高評価につながる可能性があります。
なぜなら、市場で人気があるということは、それだけ相場も高くなるからです。
具体的にいくらアップするのかはハッキリしないところもありますが、
車の良い点をアピールして損をすることはありません。
ですから、査定額がアップしそうなポイントは積極的に伝えましょう。
3.車の売却先を即決しない
買取店は、「今決めてくれたら○○万円プラスします」と即決を迫ってくる場合があります。
こう聞くとお得なように錯覚するため、その場で売るのを即決してしまいがちですが、それでは車は高く売れません。
しかし、前述のとおり、はじめに買取店はあえて低めの金額を提示することがあります。
そのあと、多少プラスした金額を提示すれば、ユーザーはお得に感じるからです。
つまり、そもそも低い金額を提示しているわけですから、「○○万円プラス」というのはお得でも何でもないのです。
ですから、営業トークに乗せられて即決してしまうと、最高値を引き出すのは難しくなります。
したがって、車の売却先は即決せずに、しっかり各社の条件を比べてから決めるようにしましょう。
4.「査定額に納得できれば車をすぐに売る」という意思を見せる
査定の際、「査定額に満足できれば、すぐにでも売りたい」という姿勢を見せるのも効果的です。
なぜなら、買取店としても「いつ売ってくれるか分からない車」に対して積極的な査定額を提示するのは難しいからです。
その理由には、以下の4つが考えられます。
- 走行距離が増えてしまう
- 事故を起こす、または傷やへこみが増える可能性が高くなる
- 年式が古くなり、価値が下がってしまう可能性がある
- モデルチェンジやライバル車が発表されると、「古いモデル」と認識されるようになる
このような理由で、市場の相場が下がる可能性があります。
つまり、いつ引き取れるか分からない車は、その間に価値が下がってしまうリスクがあるため、買取店としても強気の金額を提示しにくいのです。
しかし、逆に考えれば、「〇日後なら引き渡しできる」と明確にすることで、買取店も「適正で強気の査定額」を提示しやすくなります。
したがって、「車を引き渡したい時期」をハッキリさえておくことも、高額査定を引き出すポイントといえます。
5.「車を売る気はないけど、査定だけお願いしたい」はNG
一方で、車が今いくらなのか知るために、「とりあえず査定だけしてもらいたい」というケースもあるかと思います。
もちろん、その場合でも査定は無料ですし、いくらで売れるのか把握することはできます。
しかし、「最高値を引き出す」という目的からすると、査定だけしてもらいたいというのはNGです。
買取店としても、「売る気がない車」に対して積極的な金額を提示することはないからです。
ですから、そのような発言は避けたほうが良いです。
前項の内容と少し重なりますが、「売る気がある」という姿勢で査定を受けることが大切です。
そうすれば、買取店も他社に負けじと、積極的な金額を提示してくれるようになります。
6.他社の買取価格を引き合いに交渉を進める(最重要!)
交渉により最高額を引き出すには、このポイントが最も重要です。
冒頭での説明のとおり、買取店によって査定額は全然違います。
また、買取店は安く買い取ろうと考えるため、他社の条件を引き合いに出すことが非常に有効です。
たとえば、買取店3社から査定を受けたとします。
- A社「50万円」
- B社「80万円」←この金額を基準に交渉を進める
- C 社「70万円」
確かに、B社に車を売れば一番お得ではありますが、車を買い取るために他店も査定額を引き上げてくれる可能性があります。
ですから、この場合、「B社の金額」を基準に交渉を進めます。
査定後、A・C社に電話して最高額(B社の買取価格)を伝える
あなた「他社が80万円を提示していますが、これよりも高くなりますか?」
A・C社の反応
A社「いやぁ、うちはそこまで高くできません・・・」
C社「わかりました。うちは85万円で買い取ります!」
一度検討すると伝え、電話を切る
あなた「一度、検討させてもらいます」
B社に電話をして、C社の最高額「85万円」を伝える
あなた「他社が85万円を提示していますが、そちらは80万円が限界ですか?」
B社「わかりました。うちに決めてもらえば90万円出します!」
あなた「B社に車を売ります」
このように、複数社を比較すれば競争意識をあおることになり、本来より高値をつけてもらえる可能性があります。
この場合では、最高値と最安値を比べると、結果的に40万円の差が生じたことになります。
したがって、車を最高値で売るには、「査定額を比較する」ことが必須になります。
査定の場で直接交渉するイメージを持っているかもしれませんが、それはおすすめできません。
対面で交渉すると、即決を迫られたときに断りづらくなります。相手もプロですから、電話で交渉したほうがあなたも冷静に対応できるはずです。
何より、各社の条件がそろってからでないと、交渉を有利に進めることはできません。ですから、複数社から査定を受けたうえで、交渉は電話で行うのがポイントです。
※なお、売却先を決めた後、断るお店にもきちんと連絡はしておきましょう。そのまま放置すると電話がしつこくかかってくるケースもあるので、あとあと面倒です。
まとめ
交渉のポイントを改めてまとめます。
- 自分から希望額を言わない
- 良い点を積極的にアピールする
- 車の売却先を即決しない
- 「折り合いがつけば、すぐに売る」という意思を伝える
- 「売る気はないけど、査定はしてもらいたい」はNG
- 他社の買取価格を引き合いに交渉を進める(最重要!)
これらのポイントを意識しておけばOKです。
なかでも一番重要なのは、「他社の買取価格を引き合いに交渉すること」です。
そうすることで買取店同士の競争意識が高まり、負けじと積極的な金額を提示してもらえます。
その際は、次の流れで進めてください。
- 一括査定で複数社に査定依頼する
- 各社からその時点での最高額を提示してもらう
- それぞれの買取金額を比較する
- そこで一番高い買取金額を基準に交渉を進める
ポイントは、複数社から査定を受けることです。
ただ、自分で1社1社に査定をお願いするのは手間がかかるので、その際は「一括査定サービス」を使ってまとめて査定依頼することをオススメします。
複数社の査定額もカンタンに比較できるので、その後の交渉もスムーズに進められます。