廃車の手続きを行う際、「どのような書類が必要なのかわからない」という人もいるはずです。
一概に廃車といっても手続きはさまざまで、「永久抹消登録」「一時抹消登録」「解体届出」の3種類があります。
どの手続きを行うかにより必要な書類は異なるため、それぞれに応じて確認しておかなければいけません。
また、手続きを業者に依頼するか自分で行うかによっても必要書類は変わりますから、それについても理解しおく必要があります。
ここでは、廃車手続きの種類ごとに必要な書類を説明します。
廃車手続きの違いを理解する
前述のとおり、廃車手続きには「永久抹消登録」「一時抹消登録」「解体届出」の3種類があります。
それぞれ、どのような場合に手続きが必要になるのか詳しく説明します。
永久抹消登録
永久抹消登録とは、「車の解体を前提に行う手続きのこと」です。
永久抹消登録は、車が解体されてから15日以内に行う必要があります。
修復がきかない車や事故車、災害などで使えなくなった車などを処分する場合に、この手続きを行います。
また、津波などで車が流されて見つからない場合も手続きが必要になります。
永久抹消登録をすると、その車は二度と使うことができなくなります。
一時抹消登録
一時抹消登録とは、「一時的に車を使用できない状態にする手続きのこと」です。
一時抹消登録の場合、車を解体するわけではないため、再登録すれば車をまた使えるようになります。
一時抹消登録をする理由は、自動車税の支払いを乗らない間止めることができるからです。
そのため、長期出張や留学、病気などで車をしばらく乗らない場合は、この手続きを行う必要があります。
解体届出
一時抹消登録しても、「今後もう二度と車に乗らない」と状況が変わるケースもあります。
その場合、車の解体を業者に依頼することになります。このときに必要な手続きが「解体届出」になります。
これらの手続きの違いを理解して、どの手続きをすれば良いのか確認しておきましょう。
廃車に必要な書類は手続きの種類によって異なる
廃車にする際、「永久抹消登録」「一時抹消登録」「解体届出」のそれぞれで必要な書類は異なります。
また、手続きを「業者に依頼する場合」と「自分で行う場合」でも必要書類は変わってきます。
ここでは、手続きの種類・仕方ごとに必要な書類を説明します。
永久抹消登録に必要な書類
- 印鑑登録証明書
※発行から3ヶ月以内のもの
所有者のものが必要になります。 - 委任状
印鑑登録証明書と同じ実印が押されていなければいけません。
委任状は業者が用意してくれる場合もありますが、必要であれば「国土交通省」のホームページから印刷できます。
⇒委任状の印刷はこちら - 車検証
- ナンバープレート
※前後2枚
盗難などで車検証・ナンバープレートがない場合は、理由書が必要になります。 - 「移動報告番号」と「解体報告記録がされた日」のメモ書き
「移動報告番号」はリサイクル券に書かれています。
また解体日は、処分が終わればリサイクル業者からの連絡で教えてもらえます。
これらのメモ書きは、車が解体されたことを証明するために必要です。
- 手数料納付書
- 永久抹消登録申請書(および解体届出書)
- 自動車税・自動車取得税申告書
※地域によって不要な場合がある
これら3つの書類は運輸支局でもらえるため、手続き当日に用意すれば大丈夫です。
- 住民票
※発行から3ヶ月以内のもの
車検証と印鑑登録証明書に書かれている住所が異なる場合、移転したことを証明するために住民票が必要になります。
引越しを2回以上している場合は、「戸籍の附票」もあわせて必要になります。 - ■戸籍謄本
※発行から3ヶ月以内のもの
車検証と印鑑登録証明書の名前が異なる場合、結婚などで名前が変わったことを証明するために戸籍謄本が必要になります。
一時抹消登録に必要な書類
- 印鑑登録証明書
※発行から3ヶ月以内のもの
所有者のものが必要になります。 - 委任状
印鑑登録証明書と同じ実印が押されていなければいけません。
委任状は業者が用意してくれる場合もありますが、必要であれば「国土交通省」のホームページから印刷できます。
⇒委任状の印刷はこちら - 車検証
- ナンバープレート
※前後2枚
盗難などで車検証・ナンバープレートがない場合は、理由書が必要になります。
自分で手続きを行う場合は、上記4つに加えて、以下の書類が必要になります。
- 手数料納付書
- 一時抹消登録申請書
- 自動車税・自動車取得税申告書
※地域によって不要な場合がある
これら3つの書類は運輸支局でもらえるため、手続き当日に用意すれば大丈夫です。
所有者本人が申請を行う場合には、委任状は必要ありません。
ただし、申請当日に実印が必要になりますから注意しましょう。
- 住民票
※発行から3ヶ月以内のもの
車検証と印鑑登録証明書に書かれている住所が異なる場合、移転したことを証明するために住民票が必要になります。
引越しを2回以上している場合は、「戸籍の附票」もあわせて必要になります。 - 戸籍謄本
※発行から3ヶ月以内のもの
車検証と印鑑登録証明書の名前が異なる場合、結婚などで名前が変わったことを証明するために戸籍謄本が必要になります。
解体届出に必要な書類
- 委任状
印鑑登録証明書と同じ実印が押されていなければいけません。
委任状は業者が用意してくれる場合もありますが、必要であれば「国土交通省」のホームページから印刷できます。
⇒委任状の印刷はこちら - 登録識別情報等通知書(もしくは一時抹消登録証明書)
紛失した場合は理由書が必要になります。 - 「移動報告番号」と「解体報告記録がされた日」のメモ書き
「移動報告番号」はリサイクル券に書かれています。
また解体日は、処分が終わればリサイクル業者からの連絡で教えてもらえます。
これらのメモ書きは、車が解体されたことを証明するために必要です。
自分で手続きを行う場合は、上記3つに加えて、以下の書類が必要になります。
- 手数料納付書
- 永久抹消登録申請書(および解体届出書)
これら2つの書類は運輸支局でもらえるため、手続き当日に用意すれば大丈夫です。 - 代理人の印鑑
※代理人が申請する場合のみ必要になる
- 譲渡証明書
- 新しい所有者の住民票または印鑑登録証明書(コピー可)
※発行から3ヶ月以内のもの
- 住民票
※発行から3ヶ月以内のもの
まとめ
ここまでの説明で、廃車手続きを行うときに必要な書類を把握できたと思います。
それぞれ手続きの種類によって必要な書類は異なるため、しっかりと確認しておきましょう。
【廃車手続きの必要書類】
手続きを依頼する場合 | 印鑑登録証明書 委任状 車検証 ナンバープレート2枚 「移動報告番号」と「解体報告記録がされた日」のメモ書き |
---|---|
手続きを自分で行う場合 | 上記5つの書類 手数料納付書 永久抹消登録申請書(および解体届出書) 自動車税・自動車取得税申告書 |
場合によって必要な書類 | 住民票、戸籍の附票(車検証にある所有者の住所が印鑑登録証明書と異なる場合) 戸籍謄本(車検証にある所有者の名前が印鑑登録証明書と異なる場合) |
手続きを依頼する場合 | 印鑑登録証明書 委任状 車検証 ナンバープレート |
---|---|
手続きを自分で行う場合 | 上記4つの書類 手数料納付書 一時抹消登録申請書 自動車税・自動車取得税申告書 |
場合によって必要な書類 | 住民票、戸籍の附票(車検証にある所有者の住所が印鑑登録証明書と異なる場合) 戸籍謄本(車検証にある所有者の名前が印鑑登録証明書と異なる場合) |
手続きを依頼する場合 | 委任状 登録識別情報等通知書(もしくは一時抹消登録証明書) 「移動報告番号」と「解体報告記録がされた日」のメモ書き |
---|---|
手続きを自分で行う場合 | 上記3つの書類 手数料納付書 永久抹消登録申請書(および解体届出書) 代理人の印鑑(代理人が申請する場合) |
場合によって必要な書類 | 譲渡証明書 新しい所有者の住民票または印鑑登録証明書(登録識別情報等通知書にある所有者が変わっている場合) 住民票(登録識別情報等通知書にある住所・名前に変更がある場合) |
廃車の手続きを自分で行うこともできますが、手間がかかるため業者に依頼する人もいるかと思います。
その場合、依頼する業者によって必要な書類が異なることがあるため、何がいるのか直接聞いて確認すると良いです。
なお、「廃車にするしかない」と思えるような車でも買い取ってもらうことは可能です。
買取業者のなかには、事故車や不動車などを専門で扱っているところがあります。
ですから、廃車にする前に、まずは専門業者に査定をしてもらうことをおすすめします。
詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。