車はとても高価な買い物です。手持ちのお金で一括購入できればベストですが、ほとんどの場合、現金一括ではなく、ローンを組んで支払うことになります。
しかし、「どこでローンを組めば良いか分からない」「ローンについて詳しくないから、組むのに抵抗がある」という人もいるかと思います。
自動車を購入する際にローンを組むということは、「借金をすること」です。
借りたお金を分割で返済しながら、金利(借金したことにたいする手数料)も支払っていく必要があります。
そのため、実際に借りたお金よりも多く返済することになります。
さらに、自動車ローンには「ローン型」と「クレジット型」があります。
それぞれにメリットとデメリットがあるため、情報収集して「どちらが自分のライフスタイルに合っているのか」ということを検討する必要があります。
そこでこのページでは、車を購入する際のローンについての基礎知識を詳しく説明していきます。
オートローンとは
オートローンとは、「車に関係するものに制限されているローンのこと」です。
つまり、車を購入するお金を「信販会社(販売信用を行う会社のこと)」や「銀行などの金融機関」から借りることになります。
販売信用とは、「消費者を信用して商品やサービスを販売し、代金をあとから受け取る方法のこと」です。
クレジットカードでのショッピングも販売信用になります。
信販会社やディーラーが提供するローンは、「オートクレジット」などの名前で呼ばれます。
また、銀行などの金融機関では「マイカーローン」「自動車ローン」などの名前で、車購入のための融資する商品として取り扱われています。
名称 | オートクレジット | マイカーローンまたは自動車ローン |
---|---|---|
提供している機関 | 信販会社、ディーラー | 銀行、信用金庫、JAバンク、労働金庫などの金融機関 |
いずれにしても、購入後に車の代金を分割して返済していくことになります。
その際に、必ず利息が発生します。
利息とは、「代金を信販会社に立て替えてもうときや、金融機関などから借り入れするときの手数料のこと」です。
つまり、車を購入するときにかかった代金だけではなく、信販会社や金融機関への手数料も合わせて支払わなければいけません。
金利とは
金利とは、「ローンを組む際、信販会社や金融機関への手数料がいくらになるのかを計算するためのもの」です。
たとえば車を購入するときに、「金利5%で100万円のローンを組んだ場合」を考えてみましょう。
この場合、100万円の5%である「5万円」が1年間で支払わなければいけない利息分になります。
つまり、利息(手数料)と合わせると105万円を支払うことになります。
実際に車を購入するときは、さらに大きな金額を数年かけて返済していくケースがほとんどだと思います。
そのためローンを組む際には、支払い総額をしっかりと確認し、さらに毎月の返済額がいくらになるのかを知っておく必要があります。
オートローンを組むための一般的な「借入条件」と「必要書類」
ローンを組むということは、「信販会社にお金を立て替えてもらうこと」や「銀行などの金融機関にお金を借り入れすること」です。
そのため、「お金を借りる人に返済していける能力があるのかどうか」を事前に確かめる必要があります。
オートローンを組むときの一般的な「借入条件」と「必要書類」は以下のとおりです。
- 年齢は20歳以上であること
- 新たに組むオートローン以外に借りているお金がある場合、それと合わせた年間返済額の合計が年収の40%以下であること
- 毎月の収入が安定していること
- 年収を証明する書類(源泉徴収票など)
- 住民票
- 車の購入を証明できる書類(車の見積書など)
- 本人確認書類(運転免許証など)
このように、一定の条件を満たしていなければローンを組むことはできません。
ただし、どこでローンを組むかによって、借入条件や金利などが異なります。
そのため、あらかじめ情報収集を行い、どこのローンにするのかを検討することが大切です。
「信販会社のオートクレジット」と「金融機関のマイカーローン」の違いとは
オートローンには、大きく分けて「信販会社のオートクレジット」と「金融機関のマイカーローン」があります。
オートクレジットは「審査が通りやすいが、金利が高い」という特徴があります。
それに対して、マイカーローンは「審査は厳しいが、金利が低い」という特徴があります。
このように、オートクレジットとマイカーローンは同じオートローンですが、内容や特徴は大きく異なります。
ここでは、それぞれの特徴について詳しく説明します。
ローンの特徴をしっかりと理解することで、あなたのライフスタイルに合ったローンを選ぶことができます。
信販会社のオートクレジットとは
オートクレジットとは、「信販会社が審査を行い、代金を立て替えてくれるローンのこと」です。
契約者は車を購入する際に、頭金を除いた残りの代金を分割で返済します。
車購入時にディーラーから紹介されるオートローンは、提携している信販会社のオートクレジットです。
そのため、オートクレジットは「ディーラーローン」とも呼ばれています。
「返済が延滞するリスク」や「貸し倒れ(返済不能)リスク」は信販会社が負担をするため、車を販売するディーラーなどはリスクを抱えることなく販売代金を手に入れることができます。
そのためディーラーなどの販売店は、支払いに関するリスクを気にすることなく販売に専念することができます。
ちなみに、ディーラーのなかには自社でオートクレジットを提供しているところもあります。
オートクレジット(ディーラーローン)は、マイカーローンに比べて金利が高めに設定されています。
しかし、ディーラーは新車発売やフルモデルチェンジのときには、「新車をたくさん販売したい」と考えます。
このようなときは、「金利を下げて販売を促すキャンペーン」などを行うことがあり、普段よりお得にローンを組むことができます。
しかしオートクレジットにも、支払い能力を超えた契約にならないための審査があります。
この審査基準(収入とのバランス、保証人の有無など)をクリアすることができれば、オートクレジットを利用することができます。
信販会社はユーザーにローンを組んでもらい、毎月返済される分割手数料(利息)を取ることで利益を得ます。
ですから、オートクレジットは金融機関のマイカーローンに比べて審査が通りやすいというメリットがあります。
金融機関のマイカーローンとは
金融機関でのマイカーローンは、審査のうえ契約が成立すると、融資されるお金を一旦契約者の預金口座に振り替えられます。
車の購入者は、その口座から購入資金(融資金と手持ちの頭金)をディーラーなどの販売店へ振り込み、車を買うことができます。
そのあとは、金融機関に借りたお金と利息を毎月返済していくことになります。
マイカーローンを利用することができる金融機関には、「銀行」「信用金庫」「JAバンク」「労働金庫」などがあります。
金融機関によっては、車を購入する以外に「自動車運転免許の取得費用」「車検費用」「修理代金」などの融資を行っているところもあります。
申し込みや契約の際には、金融機関の窓口へ行くか、郵送で書類のやりとりを行う必要があります。
また、融資する金額を決めるために「車購入時の見積書」を提出する必要があります。
そのため、マイカーローンはオートクレジット(ディーラーローン)に比べて手続きに時間や手間がかかります。
さらに、金融機関から融資を受けるためには、「一定の勤続年数」や「安定した収入」が前提となる厳しい審査をクリアしなければいけません。
しかし、それらを問題なく処理できれば、マイカーローンではオートクレジットより低い金利でローンを組むことができます。
「オートクレジット」と「マイカーローン」のメリット・デメリット
ここまでの説明で、オートローンの種類と特徴を理解できたのではないでしょうか。
オートクレジット(ディーラーローン)とマイカーローン(自動車ローン)のメリット・デメリットをわかりやすくまとめます。
種類 | 取扱機関 | メリット | ・デメリット |
---|---|---|---|
オートクレジット(ディーラーローン) | 信販会社、ディーラー | 手続きが簡単 審査にかかる時間が短い | 金利が高い 返済が終わるまで車の所有権は信販会社かディーラーにある |
マイカーローン(自動車ローン) | 銀行、信用金庫、JAバンク、労働金庫などの金融機関 | 金利が低い 免許取得費用、車検費用、修理費用などもローンの対象となることがある 購入者に車の所有権がある | 手続きが面倒 審査に時間がかかる 審査基準が高い 金融機関の営業時間内(平日15時まで)に窓口まで出向く必要がある |
オートクレジットは、比較的審査基準が低く、手続きを簡単に済ませることができます。
しかし、マイカーローンに比べて金利が高くなりやすいというデメリットがあります。
また、ローンの返済が終わるまでは車の所有権がないため、車を自由に売ったり、自分の好みにカスタムしたりすることができません。
マイカーローンは、低い金利で借り入れができることが最大のメリットです。
さらにローンの返済中であっても車の所有権が購入者にあるため、車を売るなどの選択を自由に決めることができます。
しかし、マイカーローンはオートクレジットに比べて審査が厳しいため、誰でも簡単に融資を受けられるとは限りません。
「支払い総額」と「月々の返済額」を必ずチェックする
オートローンを取扱いするところによって、「借り入れの条件」「金利」「可能な返済期間」などさまざまな特徴が異なります。
ですから、車の購入時にローンを組む場合は、まず初めにそれぞれのオートローンの情報を集めることが重要です。
その際、「支払い総額」と「月々の返済額」がいくらになるのかを必ずチェックしておく必要があります。
その上で、あなたのライフスタイル(収入、その他の借金、家計など)と照らし合わせて、どのオートローンが自分には適しているのかをじっくり検討することが大切です。