引越しで住所が変わった場合、住民票を移して、あなた自身の住所変更をするはずです。
車も同様で、住所変更の手続きが必要です。
しかしながら、引越しをしたあとで「車を持ってきたけど、使わないから売りたい」というように、車の住所変更をする前に売却を考える人もいるかと思います。
また、「引っ越したけど、車の住所変更するのを忘れていた」というように、住んでいる住所とは違う他県ナンバーで車に乗り続けている人もいます。
このような場合、住所変更がされていない他県ナンバーの車をそのまま売ることはできるのでしょうか。
結論から言うと、ナンバープレートを前の住所から変更していなくても、車を売ることはできます。
ただし、車の所有者が住所変更したことを証明するために、「住民票」「戸籍の附票」などの書類が必要になります。
ここでは、「住所変更がされていない他県ナンバーの車」を売るときの方法や必要書類について詳しく説明します。
住所変更していない車でもそのまま売却できる
本来、住所が変わってから15日以内に、車も登録上の住所を変更する必要があります。
また車の住所変更を行うには、引越し先の住所で新たに車庫証明を取得することも必要です。
ただ実際には、「引っ越してまだ間もない」「車の住所変更が必要なのを知らなかった」などの理由で、他県ナンバーのまま車に乗っている人はいます。
車検でも、他県ナンバーだからといって指摘されることはないため、気づかない人もいるようです。
それでは車を売るときには、車庫証明を取得して住所変更しておかなければいけないのでしょうか。
実は、住所変更がされていない場合でも、車はそのまま売ることはできます。
なぜなら、「車を売る人」と「車の所有者」が同じであることを証明できれば、売却には問題ないからです。
車を売るためにわざわざ住所変更をしても、手続きの手間や費用がかかってしまいます。
ですから他県ナンバーの車を売る場合は、住所変更しないでそのまま買取店に引き取ってもらいましょう。
買取業者が行う手続き
まず理解しておきたいことは、車を売却したあとに買取業者が行う手続きについてです。
買取業者は、引き取った車を「一時抹消登録(車を一時的に使用しない場合に行う手続き)」する場合があります。
なぜならこの手続きをしないと、自動車税の納税義務が生じてしまうからです。
そうなると、買取業者としては余計なコストを負担することになります。
ですから買取業者は一時抹消登録をして、できるだけ管理コストがかからないようにしているのです。
【手続きの流れ】
※一時抹消登録をしない場合もある
しかし、「その車の所有者」でなければ、この手続きを行うことはできません。
そこで大前提となるのが「名義変更」です。つまり、車の所有者を「あなた」から「買取業者」に変更する必要があるのです。
他県ナンバーの車を売るときに必要な書類
名義変更の手続きは買取業者が行ってくれますが、そのときに買取業者が用意してくれる「委任状」「譲渡証明書」に実印を押すことになります。
そうすれば、正式に名義変更を依頼したことになります。
そのため、実印であることを証明するために「印鑑登録証明書」も必要になります。
基本的に、車を売却できる(名義変更を依頼する)のは「車の所有者」だけです。
そのため、所有者であることを証明するためには、「車検証にある所有者の名前・住所」と「印鑑登録証明書にある名前・住所」が同じでなければいけません。
ここで問題なのが、車の住所変更をしていないケースです。
この場合、車検証の住所は古いままですから、印鑑登録証明書の住所とは違ってしまいます。
つまり、「車を売る人」と「車の所有者」が同じであることを証明できないのです。
そこで必要になるのが「住民票」や「戸籍の附票」です。
これらには過去の住所が書かれているため、車の所有者の住所履歴を証明するのに役立ちます。
ただ、引越しの回数によって必要なものが異なるため、以下で確認しておきましょう。
■住民票(マイナンバーの記載がないもの)
住民票には、「現住所」と「1つ前の住所」が書かれています。
ですから、車を取得してから1回しか住所が変わっていない場合は、住民票があれば対応できます。
住民票は、現住所の役所でもらうことができます。
■戸籍の附票
戸籍の附票とは、「住所の移転履歴が記されている書類」のことです。
車を取得してから2回以上の引越しをしている場合は、戸籍の附票も必要になります。
これを交付してもらえるのは「本籍地の役所」のみです。
本籍地までが遠い場合は、郵送してもらうことも可能です。
しかし、手続きには1週間ほどかかるため、必要であれば早めに手配しておきましょう。
他県ナンバーの車を売るには、これらの書類が必要です。
なお、車を売却するときに必要な書類一覧は、以下のとおりです。
一般的に必要な書類
- 自動車検査証(車検証)
- 自賠責保険証明書
- 自動車納税証明書
- 印鑑登録証明書
- リサイクル券
- 実印
買取業者が用意してくれる書類
- 委任状
- 譲渡証明書
車検証と印鑑登録証明書の住所が異なる場合に必要な書類
- 住民票(引越しを1回した場合)
- 戸籍の附票(引越しを2回以上した場合)
結婚などで姓が変わっている場合に必要な書類
- 戸籍謄本
車を売る際、買取業者から必要書類について詳しく説明があります。
ただ、書類によっては用意するのに時間がかかる場合がありますから、あらかじめしっかり確認しておきましょう。
まとめ
ここまでの説明で、他県ナンバーの車でも売れることを理解できたかと思います。
ここまでの要点をまとめます。
- 車の住所変更をしていない場合、「車検証」と「印鑑証明」の住所が異なる
- この場合、「車を売る人」と「所有者」が同一であることを証明できない
- これを証明するためには、所有者の「移転履歴」が必要になる
- 移転履歴を証明するためには、「住民票」または「戸籍の附票」がいる
- これらの書類を用意すれば、車のナンバーを変更していなくても、そのまま売却できる
- 車の住所変更をしてから売ると、手間と費用が余計にかかってしまう
売却時には、車の所有者を「あなた」から「買取業者」に名義変更をします。
この際、車の住所変更をしていない場合は、「所有者の住所の移転履歴」を証明する必要があります。
それには、「住民票」や「戸籍の附票」が必ずいります。
手続きは買取業者が行ってくれるため心配いりません。
あらかじめ必要な書類をしっかりと確認して、車売却の手続きを進めましょう。