廃車時に返ってくる税金の種類|還付手続きの方法も解説

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廃車手続きを行うとき、「税金は返ってくるの?」と疑問を持つのではないでしょうか。

廃車にした場合、「自動車税」「自動車重量税」「自賠責保険料」が未経過分に応じて戻ってきます。
ただし、廃車手続きの種類や時期によっては返ってこないケースもあります。
ですから、廃車のときの還付金についてしっかり理解しておく必要があります。

ここでは、廃車の際に戻ってくる税金について詳しく説明します。

目次

廃車にするときの自動車税の還付

自動車税とは

自動車税とは、「毎年4月1日時点での車の所有者に対して課税される税金のこと」です。
5月上旬ごろに納税通知書が届き、5月末までの自動車税を納めなければいけません。

自動車税は還付されるの?

年度の途中で廃車にした場合は、自動車税が月割りで戻ってきます

たとえば、7月に廃車手続きを行った場合、翌月8月~翌年3月までの「8ヶ月分」の自動車税が還付されます。
ただし、3月に廃車手続きを行った場合は残り1ヶ月を切っているため、自動車税の払い戻しはありません。

廃車手続きには、車を解体する「永久抹消登録」と、車を一時的に使えない状態にする「一時抹消登録」があります。
いずれの場合も自動車税は戻ってきますから、忘れずに申請しましょう。

自動車税還付についての注意点
  • 軽自動車税は金額が低いため、還付制度はありません。
  • 地方税(住民税、事業税など)を滞納している場合、自動車税の還付金はそちらの補填に回されます。
    未納額によっては、廃車にしても自動車税が戻ってこないこともあります。

4月または5月に廃車手続きを行う場合、自動車税を支払う必要はある?

自動車税の納税通知書が届いても、「もうすぐ廃車にするから自動車税は払わないでおこう」と考える人もいるかもしれません。

しかし前述のとおり、自動車税は「4月1日時点の所有者」に課税されます。
ですから、その時点で廃車手続きが終わっていなければ、一旦、自動車税を1年分支払わなくてはいけません。
ただ、廃車手続きを行えば、あとから自動車税は戻ってきます。

たとえば、4月中旬に廃車手続きを行った場合、5月には納税通知書が届きますから、一旦、自動車税を支払います。
ただ、廃車手続きのときに自動車税の還付申請も行うはずです。
そうすれば、手続きを行った翌月の5月~翌年3月までの「11ヶ月分」の自動車税が返ってきます。

自動車税の返金手続き

自動車税を還付してもらうための手続きは簡単です。運輸支局で廃車登録をするとき、いっしょに還付申請を行うことになります。
1~2ヶ月もすれば、印鑑証明書に書かれている住所に「還付通知書」が届きます。
その通知書と印鑑、身分証明書を持って金融機関にいけば、窓口で還付金を受け取ることができます。

しかし廃車後に、引越しなどで住所が変わることもあると思います。
その場合、税事務所であらかじめ申請をしておけば、還付金を指定口座に振り込んでもえます。

廃車にするときの自動車重量税の還付

自動車重量税とは

自動車重量税とは、「車種や重量によって課税される税金のこと」です。
一般的には、車検のタイミングで重量税を払うことになります。
そのため、車検と重量税の期間が同じになることがほとんどです。

ちなみに、重量税の還付制度は、自動車リサイクル法が定められたときに導入されたものです。

自動車重量税は還付されるの?

廃車手続きをするときに車検期間が残っていれば、重量税が月割りで還付されます
たとえば、車検の有効期限はまだ1年残っている場合、12ヶ月分の重量税が返ってきます。
ただし、車検の有効期限が残り1ヶ月を切っている場合は、重量税の払い戻しはありません。

重量税還付についての注意点

気をつけなければいけないのは、重量税を還付してもらうには「車の解体」が条件になっていることです。
したがって、以下の点について理解しておく必要があります。

  • 普通車であれば「永久抹消登録」、軽自動車であれば「返納届け」をした場合のみ、重量税は還付されます。
  • 「一時抹消登録」や「盗難などで車が行方不明」の場合は車を解体したことにならないため、廃車手続きをしても重量税は戻ってきません。
  • 一時抹消登録のあと、車を解体して「解体届出」の手続きを行った場合、まだ車検の有効期限が残っていれば、重量税の還付を受けることができます。
  • 一般的に、車を買取店などで売る場合は、法的に重量税が戻ってくることはありません。
    ただし、相当額が査定額に含まれる形で返ってきます。

自動車重量税の返金手続き

重量税を還付してもらうための手続きは簡単です。運輸支局で廃車登録をするとき、いっしょに還付申請を行うことになります。

ただし、自動車重量税が還付されるには審査があり、それを行うのに3ヶ月ほどかかります。
審査が通れば、指定口座に還付金が振り込まれます。

なお、自動車重量税の還付申請を行うには、以下のものが必要になります。

  • 振込先の口座情報
  • 代理人の印鑑(代理人が申請をする場合)
  • 車の所有者の印が押された委任状(所有者以外の人が還付金を受け取る場合)

廃車にするときの自賠責保険料の還付

自賠責保険とは

自賠責保険とは、「自動車・バイクを運行する場合に、法律によって加入が義務づけられている自動車保険のこと」です。
いわゆる「強制保険」のことです。

自賠責保険は、車に乗っていて他人をケガされたり死亡させたりしてしまった場合に、被害者に対して補償されます。
ただ、自分のケガや車に対しては補償されません。
そのため、自賠責保険では補えない範囲は、人気保険でカバーする必要があります。

自賠責保険料は還付されるの?

自賠責保険料は、車検のタイミングで支払うのが一般的です。
ですから、廃車手続きをするときに車検期間が残っていれば、自賠責保険料が月割りで還付されます

たとえば、車検の有効期限はまだ1年残っている場合、12ヶ月分の自賠責保険料が返ってきます。
ただし、車検の有効期限が残り1ヶ月を切っている場合は、自賠責保険料の払い戻しはありません。

廃車手続きには、車を解体する「永久抹消登録」と、車を一時的に使えない状態にする「一時抹消登録」があります。
いずれの場合も自賠責保険料は戻ってきますから、忘れずに手続きをしましょう。

自賠責保険料還付についての注意点

自動車税や重量税の還付申請は、廃車手続きといっしょに運輸支局で行います。
しかし、「自賠責保険の還付手続き」は運輸支局で行うことはできません。

自賠責保険料の還付を受けるには、保険会社に直接連絡をして「解約」する必要があります。
廃車手続きを行ったからといって、自動的に払い戻しされたり、保険会社から連絡がきたりすることはありません。
ですから、忘れずに自分から保険会社に連絡をしましょう。

自賠責保険の解約に必要な書類

解約に必要な書類は保険会社によって異なりますが、一般的には以下のものが必要になります。

  • 廃車を証明する書類
    (登録事項等証明書または一時抹消登録証明書のコピー。軽自動車の場合は、自動車検査証返納証明書)
  • 自賠責保険証
  • 所有者の認印
  • 振込先の口座情報

まとめ

廃車時の還付金について表でまとめます。

永久抹消登録
(軽:返納届け)
一時抹消登録解体届出
自動車税(軽自動車税)可(軽自動車税は不可)可(軽自動車税は不可)
自動車重量税不可
自賠責保険料
廃車手続きごとの還付

この表のとおり、手続きの種類によっては還付されないお金もありますから注意しておきましょう。
また、廃車手続きを行う時期によって還付される金額が減るため、そのことも十分に理解しておく必要があります。

廃車を業者に依頼するときの注意

廃車を業者に依頼するときの注意

廃車手続きを自分で行う場合は、税金の還付を受けることができます。
しかし、廃車手続きを業者に依頼する場合は、契約上「還付金の払い戻しはしない」とするケースがあります。

ですから、廃車手続きを自分で行わないときは、業者に「還付金の有無」をしっかり確認しておくとこが重要です。

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