(出典:http://toyota.jp/)
スマホや携帯電話などで、「バッテリーがなくなった」という話をよく聞きます。バイブリッド車も同じように、バッテリーを搭載しています。ハイブリッド車ユーザーであれば、バッテリーの寿命がどのくらいなのか疑問に思う人もいるのではないでしょうか。
ハイブリッド車のバッテリーにも寿命があります。車種や普段の使い方にもよりますが、一般的にハイブリッド車のバッテリーの寿命は「10~20万km」が目安になります。まれに20万kmを超えるまで車に乗り続ける人がいますが、そのようなケースではバッテリーの交換が必要になります。
そこでこのページでは、バイブリッド車のバッテリーの寿命やメーカー保証、交換費用について詳しく説明します。
バイブリッド車のバッテリーは何のためにあるのか
ハイブリッド車には、「補機バッテリー」と「走行用バッテリー」の2つが搭載されています。補機バッテリーとは、「通常のガソリン車のバッテリーと同じもので、システムの制御や電装系パーツの電源のこと」です。
ただし、このページで説明しているハイブリッド車のバッテリーとは「走行用バッテリー」のことです。走行用バッテリーとは、「ガソリンエンジンを補助するためのモーターを動かすための蓄電池のこと」です。バイブリッド車はモーターを駆動させることで走行することが可能です。そのため、ガソリンエンジンを使わずに燃費を向上させることができます。
ただ、モーターを動かすためには、バッテリーに蓄えられた電力が必要になります。ですから、ハイブリッド車は減速時に回収したエネルギーを、電力としてバッテリーに充電できるようになっています。また、電力が不足しているときは、ガソリンエンジンの動力を利用して充電を行うこともできます。
このように、ハイブリッド車は走行用バッテリーの充電を繰り返しながら、モーターの動力をつくり出しているのです。
ハイブリッド車のバッテリーの寿命はあるのか
しかし、バッテリーは充電を繰り返し、無限に使い続けられるわけではありません。スマホなどでも同じですが、バッテリーは寿命がくると充電できなくなります。ハイブリッド車の場合、バッテリーの種類にもよりますが、走行距離が10~20km程度で交換が必要になってきます。
ハイブリッド車が発売された当初は、バッテリーの技術が十分ではなったため、5万km程度で寿命がきました。さらに、交換費用に50万円以上かかることがあったため、ハイブリッド車の購入を見送る人も多かったです。
しかし自動車メーカーは、車体とバッテリーが同じくらいの寿命になるように、高性能バッテリーを採用するなどの工夫をしています。そのため、一昔前に比べればバッテリーの寿命はかなり長くなりました。なかには、バッテリー寿命が20万km以上になるケースもあります。
したがって、「ハイブリッド車の走行用バッテリーの寿命は、車本体の寿命とほとんど同じ」と考えて良いです。ですから、現在ではバッテリー交換のリスクを気にする必要はほとんどありません。
メーカー保証
ハイブリッドシステムに対するメーカー保証は、「5年あるいは走行距離10万km」となっている場合がほとんどです。ですから、保証期間内であれば、バッテリーの寿命を心配する必要はないです。ただし、メーカー保証の対象期間を過ぎたからといって、すぐに不具合が生じるわけではありません。もちろん、保証期間を過ぎてもまだまだ乗り続けることは可能です。
そもそもハイブリッド車の場合、モーターの熱や振動の発生が少ないため、ガソリン車に比べて車自体の寿命が長くなりやすいです。バッテリーの耐久性についても、車の寿命と同じとなるように開発が進めれています。ただし、乗りつぶすつもりでハイブリッド車を購入した人は、いずれバッテリー交換などのメンテナンスが必要になることは間違いありません。
バッテリーの交換費用
もしバッテリー交換が必要になった場合、費用はいくらかかるのでしょうか。
初代プリウスの場合は、バッテリー交換にかかる費用は50万円以上とかなり高額でした。今でも、ハイブリッド車のバッテリー交換には多額の費用がかかると思い込んでいる人もいるのではないでしょうか。しかし、バッテリーの開発にともないコストも下がっているため、当時に比べて交換費用は驚くほど高くはありません。
ハイブリッド車のバッテリー交換費用は、15~20万円程度です。ただし、メーカーやバッテリーの種類によって金額が高くなる場合もあるため、具体的な金額はディーラーなどで確認すると良いです。
「バッテリーの進化」がエコにつながる
ここまでの説明で、バイブリッド車のバッテリー交換について理解できたかと思います。
ハイブリッド車は目まぐるしい進化を続けており、車自体の寿命がガソリン車に比べて延びています。ハイブリッド車に搭載されている走行用バッテリーの開発も進み、エネルギー密度が高く、充放電の効率にも優れたものになってきています。年々、バッテリーコストも下がっているため、バッテリー交換の負担はこれからさらに少なくなります。このように、バッテリーの寿命や費用負担の改善が進めば、車の平均寿命を20~30万kmに延ばすことは不可能ではありません。
また、車用として使えなくなったバッテリーは住宅用の蓄電池として再利用され、リサイクルするようになっています。ですから、「技術の進歩」や「材料の再利用するためのシステム」に積極的に取り入れることで、車社会はさらにエコになっていくことでしょう。