あなたは「マイクロEV」という車を聞いたことがあるでしょうか。聞いたことがなくても、見かけたことがある人は多いかと思います。
マイクロEVとは、「軽自動車と原付4輪の中間的存在の超小型EVのこと」です。ちなみに、EVとは電気自動車のことです。マイクロEVは非常にコンパクトでエコな車です。また、市街地での利便性も良いため注目を集めています。
ここでは、マイクロEVについて解説します。
マイクロEVって何?
前述のとおり、マイクロEVは「軽自動車と原付4輪のメリットを兼ね備えた車」です。この車はすでに、セブンイレブンの宅配車などとして活躍しています。
マイクロEVは、快適装備などをあまり搭載せずに、走ることに徹したシンプルな車です。非常にコンパクトなのが特徴で、乗れるのは1人または2人までです。ですから、軽自動車よりもさらにコンパクトな乗物です。
ただ、パワーは原付4輪よりはあるため、市街地では十分な動力性能を発揮します。そのため、日常使いのセカンドカーとしての需要も考えられます。また、観光客が利用するレンタカーとしても普及が期待されます。もちろんEV(電気自動車)ですから、環境性能に優れているという大きなメリットがあります。車体は軽量で、軽快な走りが楽しめるのも魅力です。
マイクロEVは、近未来の可能性を感じさせてくれる乗物です。空調などの快適装備などは省かれて軽量化されているため、航続距離が確保されています。また、少量生産を行っているため、デザインも個性にあふれていて遊び心を感じさせます。見た目は、あの「チョロQ」にそっくりなマイクロEVもあります。
マイクロEVはカーシェアリングに向いているのか
マイクロEVは、カーシェアリングとしても普及が期待されています。カーシェアリングとは、「車を共同使用するサービスのことで、ごく短時間の利用を想定しているレンタカーのようなもの」です。利用者にとっては、レンタカーよりも便利で安くなるように設定されています。実際に、マイクロEVを導入したカーシェアリングを実験的に行っている自治体もあります。
欧州ではすでに、コミュニティビーグル(特定の地域でのみ使うことができる車のこと)としてマイクロEVが利用されています。
マイクロEVの問題点
マイクロEVは、特定のエリアで実証実験が行われています。2020年の東京オリンピックでは、マイクロEV専用のレーンを整備して導入する計画もあります。
現状の問題点として、マイクロEVと乗用車やトラック、バスなどが同じ道路を利用していることがあります。しかし、乗用車ほどの安全機能を備えていないため、ほかの車と衝突したときの安全性を確保できるかが課題となっています。
また、日本の場合、道路の面積が限られているため、専用レーンをつくれる地域や道路は少ないです。ですから、実用化するためには法整備を含めて、さまざまな課題を解決する必要があります。
まとめ
ここまでの説明で、マイクロEVがどのような車なのかを理解できたのではないでしょうか。
マイクロEVは、クリーンで効率の良い乗物です。開発も進んでおり、さまざまな場面での利用が始まっています。今後さらに、クリーンで快適な車社会を作っていくには、マイクロEVのような「パーソナルモビリティ(1人乗りの移動機器)」を普及させることが重要です。
パーソナルモビリティとして普及が期待されるマイクロEVは、コンパクトなのが売りです。しかし、乗用車のような安全装置や快適装備がほとんどないため、一般的な乗用車やトラックなどの大きな車と同じ道路を走行するのは危険が高まります。したがって、マイクロEVを日本の交通事情にどうやって導入するかが今後の大きな課題です。