(出典:http://minkara.carview.co.jp/)
自動車業界はエコカーが最先端を行くような時代になりました。「レクサス」や「メルセデス・ベンツ」などの高級自動車メーカーからはもちろんのこと、あの「フェラーリ」や「ポルシェ」などの自動車メーカーからもハイブリッドスーパーカーが販売されています。
高級車やスーパーカーに購入する富裕層のユーザーにとって、燃費はそれほど気にすることではないかもしれません。それでは、なぜ高級車やスーパーカーにもハイブリッドが導入されるのでしょうか。
それは、環境基準による燃費や排気ガス規制をクリアすることが技術的にも求められる時代だからです。フランスで行われる「ル・マン24時間耐久レース」でも、ハイブリッドシステムを導入したレーシングカーが主流になっています。つまり、時代はエコカーへシフトしたのです。
ここでは、高級車やスーパーカーのハイブリッド事情を解説します。
目次
高級車がハイブリッドを採用する意味は
日本や欧州の自動車メーカーの高級車にも、ハイブリッドモデルが用意されています。たとえば、「日産のフーガ・ハイブリッド」「レクサスのLS600h」「BMWのアクティブハイブリッド」「メルセデス・ベンツのS400ハイブリッド」などがあります。
一般の乗用車と同じように、高級車のハイブリッドシステムにも「市街地での発進と停止を繰り返すような走行のとき」や「高速道路を一定速度で走行しているとき」にモーターへ切り替えるモードがあります。
高級車でも、ハイブリッドシステムを採用することで燃費の良くすることができます。なぜなら高級車は排気量が大きい車が多いため、エンジンを止めてモーターで走行することができれば燃費は大きく向上するからです。
また、自動車メーカーとしては、販売車種全体の平均燃費を向上させることで、欧米市場で課せられる税金の負担を軽くすることができます。つまり、販売戦略としてもハイブリッドカーを取り入れることが非常に有効なため、積極的に開発をしているのです。
さらに、社用車に高級車を用いている企業があります。このような企業が、環境保護を重視しているイメージをアピールするため、「ハイブリッドカーを使いたい」というニーズもあります。
高級車のハイブリッドカーのなかにも「プラグインハイブリッド」を採用している車種があります。たとえば、「ホンダのアコードハイブリッド」などです。プラグインハイブリッドとは、「従来のハイブリッドカーより大きなバッテリーを搭載させることで、外部からの充電が可能になったハイブリッドカーのこと」です。そうすることで、電気だけで走るEVモードでの走行距離を長くすることができます。
プラグインハイブリッドの場合、1日の走行距離が少なければガソリンを一滴も使わないケースもあります。こうなると、コンパクトカーと高級車を比べてもわずかな燃料費の差しかなくなってきます。
このように、たとえ高級車であってもハイブリッドシステムを導入することで、ユーザーと自動車メーカーどちらにも多くのメリットがあるのです。
スーパースポーツカーのハイブリッドモデル5選
ハイブリッドカーを含めたエコカーの流れは留まることを知りません。ここでは、名だたる世界の自動車メーカーから発表または発売されているスーパースポーツカーのハイブリッドモデルを5つ紹介します。
メーカー | 車名 | 燃費 | 価格 |
フェラーリ | ラ・フェラーリ | 10.0km/L | 1億6,000万円 |
ポルシェ | 918スパイダー | 33.3km/L | 1億円 |
マクラーレン | P1 | 12.0km/L | 1億円以上 |
ランボルギーニ | アステリオン | 24.3km/L | 未発表 |
BMW | i8 | 19.4km/L | 1,966万円 |
ここからは、これら5つのハイブリッドスーパーカーについてそれぞれ解説します。
フェラーリ「ラ・フェラーリ」
(出典:http://minkara.carview.co.jp/)
ハイブリッドカーは、イタリアのスーパースポーツカーの代表的メーカーでもあるフェラーリでも生産されています。「ラ・フェラーリ」という車で、ガソリンエンジンとモーターを組み合わせることで、強力な加速力と二酸化炭素の排出量削減を実現しています。
フェラーリのハイブリッドシステムは、減速時に運動エネルギーを電力として回収し充電を行います。加速する際に、エンジンと一緒にモーターを駆動させることで、今までのモデルを上回る加速力と、省燃費を可能にしています。
ラ・フェラーリの価格は1億6,000万円といわれており、非常に高額です。しかし、フェラーリらしい華麗なスタイリングに加え、エコを実現したスーパーカーとあり、富裕層からの注文が殺到したとのことです。
ポルシェ「918スパイダー」
(出典:http://openers.jp/)
ハイブリッドを取り入れているスーパースポーツカーはフェラーリ以外にもあります。ポルシェ「918スパイダー」は、ポルシェのミッドシップ(車体の中心付近にエンジンが搭載されたもののこと)スーパースポーツ「カレラGT」の後継として開発されたモデルです。
918スパイダーのフロントタイヤはそれぞれ独立したモーターで駆動します。リアタイヤも車体後部に装備されたモーターがエンジンを補助する仕組みです。これにより、EV(電気)モードでの走行は30km可能です。918スパイダーの燃費性能は33.3km/Lと他を圧倒しています。また、4WD(4輪駆動)を採用しているため、操縦の安定感や加速性能も向上しています。
マクラーレン「P1」
(出典:http://jp.cars.mclaren.com/)
マクラーレンから発売されているP1は、独自のハイブリッドシステムを搭載しています。この車は、EV(電気走行)モードでは10kmの走行が可能です。
また、ターボエンジンとモーターを組み合わせることで、猛烈な加速力を発揮します。最高時速は350km/hを誇り、走行性能の高さが際立つ一台です。
ランボルギーニ「アステリオン」
ランボルギーニ初となるプラグインハイブリッドが「アステリオン」です。10気筒のハイパワーエンジンに加え、3基のモーターを搭載しています。最高時速は320km/hを誇り、十分すぎるパフォーマンスがあります。
また、燃費性能も24.3km/Lと非常に高く、販売化が期待される1台です。
BMW「i8」
(出典:http://bmw-i.jp/)
世の中の流れは、エコカーとしての実用性や環境性能だけを追求していくようになっていくのか、車好きが心配するような状況です。そんななか、ハイブリッドスーパーカーの量産車としていち早く市販化されたのが「BMW i8」です。
プラグインハイブリッドであるi8はEVモードだけで40kmも走れます。また、燃費性能も19.4km/Lと非常に高く、バッテリーを使い切らずに走るたびに充電すれば、ほとんどガソリンを消費しません。
4人乗りの住居性を実現しながら、最高時速は250km/hを誇ります。環境性能を意識したスポーツカーのなかでは、i8の高性能ぶりは群を抜いています。
ハイブリッドスーパーカーの未来
たとえ高級車やスーパーカーでも、環境性能が技術的にも要求される時代です。クリーンでエコな性能を取り入れながらも、高級車やスーパーカーの魅力を落とさないよう各社が力を注いでいます。また、そんな高性能で魅力的な車を求めているユーザーも増えています。
今後はスーパースポーツカーのハイブリッド化は激しさを増していくでしょう。どんなハイブリッドカーが現れるのか今後も楽しみです。