中古車のプライスボードを見る際、大きく表示された「価格」だけに目を奪われがちです。そのため、他の細かな情報を読み飛ばしてしまうことはないでしょうか。
中古車のプライスボードには、価格や車名以外に確認すべきポイントが多く書かれています。プライスボードには「走行距離」や「修理歴の有無」など重要な情報が書かれているため、その内容をしっかりと理解することが大切です。
ここでは、プライスボードにあるどの項目を確認すべきなのか詳しく説明します。
目次
プライスボードとは
プライスボードとは、言わばその車の「プロフィール」に当たります。
中古車には、「その車の正しい情報が書かれたプライスボードの表示」が義務づけられています。また、プライスボードに書くべき内容も決められています。ただ、プライスボード1枚の中に書き込める情報量は限られるため、書かれている情報はすべて重要なポイントになります。
車の購入を考えるのであれば、まずはプライスボードの情報をしっかりと読み、その車について理解しなければいけません。
プライスボードに書かれているチェックすべき内容
プライスボードは、その車の状態を知るための重要な情報源です。ここでは、それぞれの項目がどういった内容なのか説明します。
1.現金販売価格
販売店で車を引き渡すとき、車両本体の現金販売価格が消費税込みで表示されています。
この価格には、税金(自動車税、自動車重量税など)・保険料・手数料などの諸費用は含まれていません。「ここに表示された価格で車が買える」と勘違いをしてしまいがちですが、ここに書かれている金額は、あくまで「現金購入の場合の車両本体価格」になるため注意しましょう。
2.初度登録(検査)年月
車を初めて陸運支局に登録された年月が表示されています。つまり、初めてナンバープレートがついた時期のことです。軽自動車の場合は、初度検査年月が表示されます。
この項目を確認すれば、その中古車の年式を知ることができます。
3.車検有効期限
車検の有無と有効期限が書かれています。
車検が切れている場合は、納車までに車検を通す必要があります。中には「検付き」と表示されているものがあります。この場合、車検が切れている状態ですが、車検費用は車両本体価格に含まれていることになります。
4.走行距離
その車の走行距離メーターが示している数値が書かれています。
メーターに表示されている走行距離に疑いがある場合、「?」と推定走行距離が表示されます。また、走行距離が推定できない場合は、「不明」と表示されています。
販売店が自社で走行距離メーターを取り替えた場合、「取り替えた前のキロ数」と「取り替えたあとのキロ数」が表示されます。走行距離が改ざん(勝手に変えること)されている場合、「改ざんされている旨」が表示されています。ただし、最近では中古車市場で走行距離を管理するシステムがあるため、「走行距離の改ざん車」はほとんどありません。
5.前使用者の点検整備記録簿
前使用者の点検整備記録簿があるかどうかが書かれています。
その中古車が展示されているときからさかのぼって過去2年以内に点検整備を受け、その点検整備記録簿が車に備え付けられている場合は「有」、その他の場合は「無」と表示されます。
6.修復歴
過去に事故などを起こし、修理・部品交換をしたかどうかが書かれます。
ただし事故などを起こした車でも、フレームやピラーなど車両の骨格部分や重要な箇所を修理・交換していなければ「修復歴なし」になります。「修復歴あり」の場合は、別の書面で修復箇所が提示されます。
7.使用歴
その車が過去にどのような用途で使われてきたかが表示されます。
表示の種別には、「自家用車」「営業用」「レンタカー」「その他(教習所などで使われていた場合など)」があります。
8.保証内容・保証期間
保証の有無が表示されています。
その車が保証付きの場合、「保証内容」と「保証期間または保証走行距離数」が書かれています。たとえば中古車の場合は、「3ヶ月または3,000km保証」などの記載があります。ただし保証内容は販売店ごとに異なるため、必ず確認しておきましょう。
9.定期点検整備の実施状況
「定期点検整備あり」と書かれている場合は、すでに定期点検が終わっているか、もしくは納車までに実施することを意味します。
「定期点検整備なし」と書かれている場合は、定期点検を販売店側では行わないことになります。もし整備する必要がある場合は、そのことがプライスボードに表示されます。
10.整備費用
納車までに前述で説明した「定期点検整備」が行われる場合、その整備費用が販売価格に含まれているのかが書かれています。含まれていない場合は、整備費用の金額が表示されています。
11.リサイクル料金
リサイクル料金とは、「リサイクル法に基づき、廃車にする際に支払わなければいけない料金のこと」です。
リサイクル料金が販売価格に含まれているかどうかが書かれています。リサイクル料金が必要な場合、その金額が表示されています。
12.諸費用
表示されている販売価格には、税金(自動車税、自動車重量税などの法定費用)・保険料・手数料などの諸費用は含まれていないことが書かれています。
「現金販売価格」は「支払い総額」ではない
プライスボートを見るときのチェックすべきポイントをまとめます。
プライスボードのチェックポイント!
- 現金販売価格
- 初度登録(検査)年月
- 車検有効期限
- 走行距離
- 前使用者の点検整備記録簿
- 修復歴
- 使用歴
- 保証内容・保証期間
- 定期点検整備の実施状況
- 整備費用
- リサイクル料金
- 諸費用
以上の項目はどれも、車を購入する際に重要な情報になります。そのためプライスボードの見方を理解すれば、その車の状態などをすぐに把握することができます。
また、「現金販売価格」は「支払い総額」ではないことを改めて理解しておく必要があります。ネット上や雑誌などの価格表示にも同じことが言えますが、大きく表示されている金額はほとんどが「車両本体だけの価格」になります。
車を購入する際は、その他に税金や保険料、リサイクル料金、手数料などを支払うことになります。さらに中古車を購入する場合は、車検費用や整備費用などがかかることも考えられます。そのため、購入するときの支払い総額は表示価格より確実に高くなります。ですから、支払い総額は正式な見積書を出してもらって確認するようにしましょう。
プライスボードの見方を理解することは、購入を検討する上でとても重要です。ただし、プライスボードだけで判断するのは良くありません。その車の詳細は販売店に直接確認する必要があります。そうすることで正確な情報を知ることができ、購入の判断がしやすくなります。ですから車を購入する際はプライスボードの情報を確認し、その上で販売店にいろいろと相談してみましょう。