車を購入する際は、自動車取得税を支払うことになります。しかし、自動車取得税とは何かをよく知らずに支払っている人もいるかと思います。
自動車取得税とは、「車を購入した際に、車を取得した人に対して課せられる税金のこと」です。自動車取得税の税率は、「新車を買う場合」と「中古車を買う場合」で異なります。また、中古車の中でも新しい年式の車と古い年式の車で税額は異なります。
そこでこのページでは、自動車取得税とその計算方法について詳しく解説します。
自動車取得税とは
自動車取得税とは、「新車・中古車(軽自動車を含む。ただし、二輪車や作業することを目的とした特殊自動車を除く)を取得したときにかかる税金のこと」です。
自動車取得税の金額は、車種・グレード・仕様ごとに決められた基準額(財務協会が発行している「自動車取得税の課税標準基準額および税額一覧表」に書かれている金額のこと)に、新車のときからの経過年数に応じた残価率をかけて計算されます。
中古車を購入した場合の自動車取得税の計算方法
中古車を買った場合に支払わなければいけない自動車取得税の計算方法は以下のとおりです。
課税標準基準額×残価率=取得価額(1,000円未満は切り捨て)
取得価額×税率=自動車取得税額
用語の意味
課税標準基準額 | 税事務所で使われる「自動車取得税の課税標準基準額および税額一覧表」に書かれている金額のことです。この課税標準基準額は、車種やグレードごとに決められており、新車価格の90%程度の金額になります。 |
残価率 | 車の経過年数から出される掛け率のことです。新車購入時を1.0として、経過年数によって残価率は下がっていきます。 |
取得価額 | 現在の車の価値に相当する金額のことです。この取得価額が50万円以下の場合は課税されません。 |
税率 | 自家用車の場合は税率3%、営業用・軽自動車の場合は税率2%になります。 |
残価率一覧表
経過年数(年) | 1 | 1.5 | 2.0 | 2.5 | 3.0 | 3.5 |
残価率 | 0.681 | 0.561 | 0.464 | 0.382 | 0.316 | 0.261 |
経過年数(年) | 4.0 | 4.5 | 5.0 | 5.5 | 6.0 |
残価率 | 0.215 | 0.177 | 0.146 | 0.121 | 0.100 |
経過年数は、1/1~6/30までの期間に車を取得した場合を0.5とし、7/1~12/31までの期間に車を取得した場合を1年とします。
それでは中古車を購入した場合を例あげて実際に計算してみましょう。
例1
課税標準基準額が300万円で、2年1ヶ月経過している中古車を購入した場合の自動車取得税額は以下のとおりです。
300万円(課税標準基準額)×0.464(残価率)=1,392,000円(取得価額)
1,392,000円(取得価額)×3%(税率)=41,760円(自動車取得税額)
例2
課税標準基準額が100万円で、1年3ヶ月経過している中古の軽自動車を購入した場合の自動車取得税は以下のとおりです。
120万円(課税標準基準額)×0.561(残価率)=673,000円(取得価額)
673,000円(取得価額)×2%(税率)=13,460円(自動車取得税額)
新車を購入した場合の自動車取得税の計算方法
新車の買った場合に支払わなければいけない自動車取得税の計算方法は以下のとおりです。
課税標準基準額+付加物の価額=取得価額(1,000円未満は切り捨て)
取得価額×税率=自動車取得税額
用語の意味
付加物の価額 | 新車購入時に付けたオプション(カーナビ、カーステレオ、サンルーフなど)を価格のことです。ただし、シートカバーやフロアマット、標準装備されている工具などは付加物には含まれません。 |
それでは新車を購入した場合を例にあげて実際に計算してみましょう。
例1
課税標準基準額が300万円の新車を、50万円のオプションを付けて購入した場合の自動車取得税は以下のとおりです。
300万円(課税標準基準額)+50万円(付加物の価額)=350万円(取得価額)
350万円(取得価額)×3%(税率)=105,000円(自動車取得税額)
例2
課税標準基準額が150万円の軽自動車を、20万円のオプションを付けて新車で購入した場合の自動車取得税は以下のとおりです。
150万円(課税標準基準額)+20万円(付加物の価額)=170万円(取得価額)
170万円(取得価額)×2%(税率)=34,000円(自動車取得税額)
非課税・減免の場合
自動車取得税がかからないか、減免(減額または免除されること)になるケースは以下のとおりです。
- 車の取得価額が50万円以下の場合は課税対象外になります。
- ハイブリッドカーや電気自動車などの場合は、税率が引き下げられます。詳しくは管轄の税事務所に問い合わせて確認しましょう。
- ローン完済による取得については課税されません。
- 相続による取得は課税対象外になります。
- 身体障害者が取得する車や身体障害者の通院などに使われる車の取得については、条例により減税または免税される場合が多いです。
- 国、都道府県、市町村などが取得する車は非課税になります。
まとめ
ここまでの説明で、自動車取得税とは何かを理解できたのではないでしょうか。
購入する新車または中古車が高額になれば、自動車取得税も引き上げられます。車の購入時に自動車取得税がかかることを知らない人は意外と多いです。そのため、購入するときになって思わぬ出費がかさんでしまうことになります。
そうならないためにも、自動車取得税の計算方法を理解し、車を購入する際にいくらの自動車取得税がかかるのかをあらかじめ確認しておくことが重要です。